<ワークショップ> 水彩絵具によるモノタイプの制作/講師:常田泰由
水彩絵具によるモノタイプの制作
講師:常田泰由
(版画学会会員、東京造形大学、武蔵野美術大学非常勤講師)
開催日時:2017年6月17日(土)11:00〜13:00
会 場:九州産業大学 版画室
「第一回運営委員会・夏期総会」に合わせ、中学生、高校生、教員を対象としたワークショップが開催されました。
九州産業大学附属高校の生徒を中心に多数の参加があり、学校教材として最も普及している水彩絵具を使って、モノタイプ版画を制作しました。




アクリル樹脂エマルジョンは、乳白色の水溶液である液体状のものですが、ジェルメディウムは高い粘性を持つ、流動性の低い(水分が少ない)固体状で、いずれも乾燥後は透明な耐水性の塗膜となります。主な用途は、水溶性で乾燥が早く耐水性となる性質から、アクリル絵具の媒材として含まれています。また、接着力の強さを利用して紙や布、木材等を張り込んだコラージュ作品の接着剤としても使用されています。この他、乾燥後には光沢性のものや艶無性のもの、樹脂濃度には高粘度、低粘度のもの、速乾性のもの等、用途に応じて豊富な種類が販売されています。メーカーによる多少の違いはありますが基本的にはいずれも使用可能です。
また、テープの幅ですが、粘着テープの製造は紙またはフィルムに粘着剤等を塗布し、乾燥後 4 m幅程のロールに巻き取ることで出来上がります。因って、市販されているものでは 5 cm幅程のものが代表的であるように、必要なサイズに裁断されているのです。尚、以下の専門店では、幅の広い粘着テープが入手可能です。
ボール紙とは木材パルプ(白ボール)や藁パルプ(黄ボール)で作られた板紙です。ボール紙の厚さは、水、また水溶性の樹脂、絵具を使用しての作業ですので、版の裏面からしみ込み付着することで薄いボール紙は撓んで作業がしづらくなりますので、1.5mm程度の厚めのものが良いでしょう。
ボールの直径には種類がありますが、0.7~1.6mm程では、太く、大胆で勢いのある線、0.25~0.5mm程では、繊細で緻密な線を表現することが出来ます。さらに、筆記角度を変えることでも、線種に幅を持たせることが出来ます。また、叩いて凹ます点描も可能ですので、組み合わせることで、より複雑な効果が得られます。
基本的には狭い面でしたら、幅が短く径の細いもの、広い面でしたら幅が長く径の太いものを選ぶと効率よく作業できます。また、ローラーの毛の長さにも種類があり、長さが2cm以上ある長毛タイプは、凹凸の激しい面に適しており、一般的で万能なものが中毛タイプ、長さが5mm程度の短毛タイプは仕上げ塗装用です。2mm厚程度のボール紙を使った凹版なので、短毛タイプが良いです。ローラーバケは横に引き抜くと、ハンドルとローラーに分かれますので、ハンドル、ローラーだけでの単品としても販売されており、いずれもホームセンターで購入できます。尚、スポンジのローラーはメディウムに巻き付けると吸い込んでしまい、スポンジの表面に留めて置く事が難しいため使用出来ません。また、使用後は、直ぐに水洗いして下さい。

